織田神社(佐田)例大祭

織田神社(佐田)の例祭は、毎年5月11日に行われ、大御幣・王の舞(別項参照)・獅子舞・ソッソの舞がある。

 

現祭神は、国常立尊(くにとこたちのみこと)・大山祇命・応神天皇・大山咋命・保食大神・水波売神である。織田神社が鎮座するこの旧山東村は、中世に織田庄と呼ばれ(現在でも「おった」と呼ばれることもある)ていた。境内神社として日本武神社、春日神社、丹生神社、八坂神社、天御孫命社、金毘羅神社、事代主神社がある。

 

氏子は佐田・太田・山上の三集落であり、祭礼において佐田は王の舞と神輿、太田は獅子舞、山上がソッソを担当する。いわば、佐田は「王の村」あるいは「輿の村」であり、太田が「獅子の村」、山上が「ソッソの村」で、祭りの所役を分担し伝承してきた。

 

「ソッソ」というのは裃を着用した3名の男性が大きなしぐさで舞台を3回まわり、その後正面を向いて一列に並んだ後、扇を広げて右から順に「ソー」、「ソニー」、「ソォー」と叫ぶだけの不思議なものである。隣の彌美神社から神輿盗みの伝説を再現したものと伝えられているが、田楽から扇の舞の部分だけが残り、神輿盗みの伝説が結びついたとも考えられる。

 

祭礼は、前夜は神輿番が(宮代の彌美神社から盗んだといわれている)神輿を奪い返されないように番をし、当日は浦安の舞、神輿舁き、ミコシアゲ、王の舞、獅子舞、ソッソ(王の舞からソッソは能楽堂内で行われる。)の順に進行する。

 

神輿は平成4年に新調されたが、それまでは暴れ神輿と呼ばれ、舁き手が神輿の屋根に上ったり、神輿を転落させたりさせていた。

 

(一部引用・参考文献:わかさ美浜町誌「美浜の文化第四巻 舞う・踊る」)